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2003.2.21

 「医学部学士編入学」
1.学士編入学について
 学士編入学制度とは、既に大学を卒業した者が、希望する大学の2年次または3年次に編入学する制度のことです。医学部の学士編入学は、アメリカのメディカル・スクール(アメリカでは、医学部は4 年制の大学院として位置づけられており、4 年制の大学を終了してから進学します。)を参考に医学教育制度の改革の一環としてはじめられ、「目的意識を明確に持った者、幅広い人間性、多様な教育・社会経験を持つ者を選考する制度」の必要性を文部省が提言したことで、それまで一部の大学でしか行われていなかった医学部3年次への学士編入枠が、国立大学協会の医学教育特別委員会の呼びかけにより拡大されました。
 平成15年度現在で医学部医学科で学士編入学を実施している大学は下記の通り国公立大学が27校、私立大学が7校です。
 医学部医学科学士編入学を実施している大学(平成15年度現在)
  ○3年次への編入を実施している大学
<国立>
琉球大学
愛媛大学
鳥取大学
大阪大学
金沢大学
群馬大学
弘前大学
長崎大学
高知医科大学
島根医科大学
神戸大学
富山医科薬科大学
千葉大学
北海道大学
山口大学
香川医科大学
岡山大学
信州大学
新潟大学
東京医科歯科大学
<私立>
東海大学
  ○2年次への編入を実施している国私立大学
<国立>
鹿児島大学
浜松医科大学
旭川医科大学
大分医科大学
福井医科大学
滋賀医科大学
筑波大学
<私立>
獨協医科大学
金沢医科大学
北里大学
愛知医科大学
杏林大学
藤田保健衛生大学
2.入学試験について
(1) 受験資格
 受験資格は、4年制大学を卒業した(見込み)者、つまり学士を有する者に限ります。
具体的には、
1. 修業年限4年以上の大学を卒業した者又は、卒業見込みの者(ただし、国内外の医学部医学科を卒業した者又は在学中の者を除く。)
2. 国内外の大学院修士課程又は博士課程を修了した者又は、修了見込みの者(ただし国内外の医学部医学科を卒業した者又は在学中の者を除く。)
3. 学校教育法第68条の2第3項の規定により学士の学位を授与された者又は授与される見込みの者 。
4. 外国において学校教育における16年の課程を修了した者又は修了見込みの者。

となります。ただし、上記条件は各大学の受験資格における共通事項であり、大学によっては自然科学系の修得単位数、受験回数、年齢の制限など更に条件を設けていたりします。文系学部出身者で自然科学系の単位の必要な方は、放送大学の科目履修生になることで必要な単位を取得することができます。

(2) 入学者の選抜方法
試験科目はほとんどの大学で、書類審査、専門科目、語学、論文、面接となっていますが、大学によって出題形式は様々です。面接は、人間性と創造性の豊かな医師及び医学研究者となるにふさわしい適性をみるために行い、一般的態度、思考の柔軟性、発言内容の論理性等を評価し、合否判定の資料として重要視されます。
また、合宿形式の面接や、OHPを用いてプレゼンテーション能力を問う試験など独自の工夫を行っている大学もあります。大学院への進学が義務づけられている研究者養成課程(MD−phDコース)では、今までの研究内容が聞かれたりします。
ご参考までに、下記に平成15年度編入学試験の入試科目一覧を記載しました。

 平成15年度 入学試験内容一覧
  (※2年次編入は平成14年度の入学試験内容になっています。)
 ○3年次への編入を実施している大学

<国立>
・琉球大学 1次: 書類選考
2次: 小論文、自然科学総合問題
3次: 個人及びグループ面接
・長崎大学 1次: 書類選考
2次: 生命科学系科目、英語
3次: 小論文、面接
・山口大学 1次: 書類選考
2次: 学科試験、小論文
3次: 面接
・愛媛大学 1次: 書類審査
2次: 英語、自然科学総合問題、小論文
3次: 面接(個人と集団の両方)
・高知医科大学 1次: レポートによる書類選考
2次: 総合問題(語学力、生物、化学、物理に関する基礎知識)
3次: ボランティア体験(学内)、面接
・香川医科大学 1次: 自然科学総合問題とTOEFLのスコアにより選抜
2次: 面接
・鳥取大学 1次: 書類選考
2次: 学力試験、集団面接
3次: 個人面接
・島根医科大学 1次: 書類選考
2次: 外国語、自然科学総合問題
3次: 適性評価、面接、健康診断
・岡山大学 1次: 書類審査
2次: 生物学、一般英語、英語論文読解
3次: 小論文、面接
・大阪大学 <A選抜>
1次: 英語、論文読解、化学、数学、物理学、生物学
2次: 小論文、面接
<B選抜(MD−phDコース)>
1次: 英語、論文解読、生物学、数学・物理学・化学から1科目選択
2次: 口述試験
・神戸大学 1次: 生命科学と英語の総合問題
2次: 口述試験(出題者の最近の研究について、OHPを用いて口頭で発表させ、発表内容についての質疑応答を行う。)
・信州大学 1次: 書類審査
2次: 卒業論文又は修士論文の内容発表と質疑応答、面接
・金沢大学 MD−phDコース
1次: 書類審査
2次: 英語、生命科学問題
3次: 面接(個人)
・富山医科薬科大学 1次: 書類選考
2次: 科学論文読解、論文試験
3次: 口頭発表、面接(1泊2日程度で実施)
・新潟大学 1次: 書類審査
2次: 英語、自然科学系(数学・物理)、生命科学系(化学・生物)
3次: 面接(グループ及び個人)
・群馬大学 1次: 書類審査
2次: 小論文
3次: 面接(1泊2日の合宿形式)
・千葉大学  MD−phDコース
1次: 英語、生命科学・自然科学、小論文
2次: 面接
・東京医科歯科大学 1次: 書類審査
2次: 数学、物理、化学、生物、英語
3次: 面接
・弘前大学 1次: 書類審査
2次: 英語、生命科学、小論文、面接(集団)
3次: 面接(個人)
・北海道大学 1次選抜: 生命科学総合問題
2次選抜: 課題論文、面接
<私立>
・東海大学 1次: 書類審査、学科試験、小論文
2次: 個人面接、グループ討論
 ○2年次への編入を実施している国私立大学
<国立>
・鹿児島大学 1次: 論文
2次: 面接
・大分医科大学 1次: 書類審査
2次: 生命科学に関する総合問題、英語
3次: 個人面接、集団面接
・滋賀医科大学 1次: 生命科学の総合問題、英語
2次: 小論文、面接
・浜松医科大学 1次: 書類審査、生命科学、外国語
2次: 小論文、面接
・福井医科大学 1次: 物理・化学・生物から2科目選択
2次: 面接
・筑波大学 1次: 書類審査
2次: 英語、生物領域の問題、化学・物理領域の問題、口頭試問
・旭川医科大学 1次: 生命科学、外国語
2次: 集団面接、個人面接
<私立>
・獨協医科大学 ※学士編入学試験については、AO入試への移行も含めて平成16年度を目標に制度の改新を検討中であり、平成15年度は実施しない。
・北里大学 1次: 学力試験、論文、面接
2次: 面接、書類審査
・杏林大学 1次: 一般入試合格者の中から選抜
2次: 書類選考
・金沢医科大学 英語、小論文、面接
・愛知医科大学 1次: 一般入試合格者の中から選抜
2次: 小論文、面接
・藤田保健衛生大学 1次: 一般入試合格者の中から選抜
2次: 面接
3.教育内容
 カリキュラムの詳細については各大学によって異なりますが、基本的には入学年次のカリキュラムに従うことになります。また大学によっては編入学生のために特別カリキュラムを用意しているところもあります。
 例えば神戸大学の場合、一般入学者とは別に編入学者用にカリキュラムを用意しており、入学時に配属研究室(チューター)を選択し、卒業までチューターの指導のもとで研究を行いながら、1年目(3年次)は基礎医学系科目、2年目(4年次)以降は臨床医学系科目を中心に履修します。
 また、日進月歩の医学・医療に対応しうる知識と技術を修得するために努力と研鑽を重ねる医師を育成するために、チュートリアル教育のような具体的な事例を用いた少人数討論形式の問題解決型の学習方式を導入している大学も多くあります。