― 免疫学・生化学・臨床遺伝学 ―
清光で実施した医学部進級対策・個別講義(オンライン)の一例をご紹介します。
本講義では、免疫学・生化学・臨床遺伝学といった進級試験で理解不足に陥りやすい分野について、
単なる暗記にとどまらず、「なぜそうなるのか」という因果関係を重視した解説を行いました。
下記の科目・内容でお困りの方は、清光の1対1個別講義にて対応可能です。
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〈医学部進級対策 講義記録より〉免疫学①
補体系の活性化と遺伝性血管性浮腫
講義内容
- 補体活性化の3経路
(古典経路・レクチン経路・代替経路) - 共通経路(C3コンバルターゼ活性)
- C3の自発的加水分解
- 補体制御因子 C1-INH(セリンプロテアーゼ阻害因子)
- C1-INH欠損と遺伝性血管性浮腫
補体の活性化は自然免疫における初期応答として重要な役割を担っており、複数の経路が存在するものの、最終的には共通の反応系に集約され、オプソニン化・炎症反応の誘導・膜侵襲複合体形成といった主要なアウトプットを生み出します。
古典経路・レクチン経路ではセリンプロテアーゼが関与しており、これを制御する因子が C1-INH です。
C1-INHが欠損すると補体活性が適切に制御されなくなり、病態が生じます。また、セリンプロテアーゼは補体のみならず、
- 血液凝固系
- カリクレイン−キニン系
にも関与しています。そのため C1-INH 欠損では、 - 凝固・線溶系調節への影響
- ブラジキニン過剰産生による血管透過性亢進
- 浮腫の発生
といった現象が起こります。
大学のレジメでは、カリクレイン−キニン系と浮腫発生の因果関係が省略され、
「暗記項目」になりがちな部分ですが、本講義では生理学的背景を踏まえ、なぜ浮腫が生じるのかを丁寧に説明しました。
〈医学部進級対策 講義記録より〉免疫学②
B細胞受容体(BCR)の多様性と心電図の基礎
講義内容
- 体細胞組換え・体細胞超変異
- BCRと抗体の違い
- クラススイッチ
- 生理学実習:心電図の原理(概説)
B細胞受容体(BCR)と抗体は、同一遺伝子由来のタンパク質です。両者の違いは、
- BCR:膜結合型
- 抗体:分泌型
という点にあります。
抗原認識能を維持したまま、機能形式を切り替えるという点で、極めて合理的な免疫システムであることを確認しました。
体細胞組換え・クラススイッチ・体細胞超変異が段階的に蓄積することで、BCRおよび抗体の多様性が創出されます。
次回以降は免疫学を継続しつつ、
生理学実習分野(心電図)にも本格的に入る予定です。今回は心電図の原理を概説しました。
〈医学部進級対策 講義記録より〉生化学①
酵素反応速度論と阻害様式
講義内容
- ミカエリス・メンテン式の導出
- ラインウィーバー・バークプロット
- 拮抗阻害の数式導出
- 非拮抗阻害・不拮抗阻害の考え方
ミカエリス・メンテン式は、複数の仮定の上に成り立っています。
理解が難しく感じられる原因は、仮定を十分に吟味せず、式のみを暗記しようとする点にあります。本講義では、
- 仮定がなぜ妥当と考えられるのか
- 式変形の手順
- Kmの定義が示す生理学的意味
を一つずつ確認しました。
拮抗阻害については数式導出を丁寧に解説し、非拮抗阻害・不拮抗阻害については、自力で式を立てるための考え方を提示し、演習課題としました。
次回はヌクレオチド代謝を扱います。
〈医学部進級対策 講義記録より〉生化学②
脂質・糖代謝の共通原理
講義内容
- リン脂質・中性脂肪合成の接点
- CTP・ATPによる活性化
- スフィンゴ脂質とスフィンゴシン骨格
- グリコーゲン合成・分解
- コリ回路
リン脂質の多様性は、リン酸基に結合する側鎖の違いによって生じます。
これらの反応はいずれも、核酸による一時的な活性化を経て進行します。
グリコーゲン合成においても、グルコースは直接結合するのではなく、UDP-グルコースという活性化体を経由します。
また、反応にはプライマーとなる既存ポリマーが必要です。このように「活性化 → 結合」という共通原理を押さえることで、生化学反応全体の理解が容易になります。
コリ回路についても、迅速なエネルギー供給という生理的意義を中心に解説しました。
〈医学部進級対策 講義記録より〉臨床遺伝学
がんゲノム医療と先端治療の比較
講義内容
- がんゲノムプロファイル検査(復習・発展)
- 検査の流れ・保険診療上の位置づけ
- 現状の課題と有効性
- パーキンソン病の遺伝子治療
- 幹細胞治療との比較
- 次回予告:X染色体不活化と三毛猫
教科書・レジメがないとのことで、過去試験問題を起点に講義を構成しました。
がんゲノムプロファイル検査については、
- 検査プロセス
- 保険診療における使用条件
- 出題の背景と本質
を最新の知見に基づいて整理しました。また、パーキンソン病を例に、
- 遺伝子治療
- 幹細胞治療
を比較し、それぞれの原理・利点・課題を明確にしました。